遺品に株式・投資信託が見つかったときの手続きと注意点

相続との関係

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遺品の中に株式・投資信託が見つかったら、まず手を止めて確認を

書類を手に持ち確認する女性

遺品整理を進めていると、引き出しの奥や書類の束の中から、証券会社の書類や投資信託の目論見書が出てくることがあります。「こんなものを持っていたのか」と驚かれる方も少なくありません。

ただ、株式や投資信託などの有価証券は、現金や預貯金と同じく相続財産にあたります。遺品整理の流れで「とりあえず処分しよう」と動いてしまう前に、相続手続きの観点から確認しておくべきことがいくつかあります。

この記事は法的助言ではなく、一般的な情報提供を目的としています。個別の判断については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

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証券口座はどこにあるのか――書類から手がかりを探す

引き出しの書類を探している様子

まず確認したいのは、故人がどの証券会社に口座を持っていたかです。郵便物の中に届いている取引残高報告書や、証券会社からの案内封筒が手がかりになります。

最近はインターネット専業の証券会社も多く、紙の書類がほとんど残っていない場合もあります。その場合は、故人のパソコンやスマートフォンのメール受信箱・アプリの履歴も確認してみてください。ただし、故人のアカウントに無断でログインすることは別途問題が生じる可能性があるため、不明点は専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

書類が見当たらなくても、日本証券業協会が運営する「証券保管振替機構(ほふり)」への照会制度を利用すると、故人が口座を持っていた証券会社を調べられる場合があります。利用には所定の書類が必要ですので、証券会社の窓口や各社のコールセンターに問い合わせてみてください。

遺品に手をつける前に知っておきたい「相続放棄」との関係

相続について考え込む女性

ここで一つ、読者の方に知っておいていただきたい大切な点があります。

相続財産を「処分した」と判断されると、相続を承認したとみなされ、相続放棄ができなくなる場合があります。民法上、相続財産を処分した相続人は単純承認したとみなされる規定があるためです。

たとえば、故人が多額の借金を残していた場合、相続放棄を検討される方もいるでしょう。そのような状況で、株式や投資信託を「遺品の一部」として売却・換金してしまうと、放棄の選択肢が閉じてしまう恐れがあります。

相続放棄の熟慮期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月(民法第915条)とされており、家庭裁判所への申立てにより伸長することも可能です。ただし、具体的な手続きや期限の運用は個別事情によって異なりますので、最新情報は必ず弁護士・司法書士などの専門家にご確認ください。

相続税の申告が必要になるかどうかを確認する

専門家に相談する場面

株式や投資信託は相続財産として評価額が計算され、他の財産と合算したうえで相続税の基礎控除額を超えるかどうかが判断されます。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。

上場株式の評価は、亡くなった日の終値・その月の終値平均・前月の終値平均・前々月の終値平均のうち最も低い額とされており、評価のタイミングが結果に影響します。投資信託の評価方法も種類によって異なります。詳しい評価方法や税額の計算については、必ず税理士にご相談ください。

なお、相続税の申告が必要かどうかも含め、国税庁のタックスアンサー(相続税の計算)も参考になります。

証券口座の名義変更(相続手続き)の流れ

投資信託の書類を読む女性

相続財産として株式や投資信託を受け継ぐ場合、証券会社での名義変更手続きが必要になります。口座の資産を売却・換金するにも、まずこの手続きが前提となります。

一般的に必要な書類は以下のようなものです(証券会社によって異なります)。

  • 故人の除籍謄本・戸籍謄本(出生から死亡まで確認できるもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 遺言書または遺産分割協議書
  • 相続人名義の証券口座(口座がない場合は新規開設が必要な場合もある)

証券会社によって必要書類や手続きの順序が異なるため、早めに各社の相続窓口へ問い合わせることが大切です。複数の証券会社に口座があれば、それぞれに個別の手続きが必要になります。

投資信託特有の注意点――「基準価額」は毎日変わる

書類を整理している女性

株式と投資信託では、価格の決まり方が異なります。投資信託の基準価額は毎営業日変動しており、手続きに時間がかかる間も価格は動き続けます。

たとえば、相続開始から名義変更完了までに数週間かかった場合、その間に基準価額が大きく変動することもあります。「早く売りたい」というお気持ちはよく理解できますが、手続きを急ぐあまり確認を省略すると、思わぬトラブルにつながることがあります。焦らず、証券会社の担当者と相談しながら進めてください。

また、投資信託の中には解約に一定の期間や条件が設けられているものもあります。購入時の書類や目論見書が残っていれば、内容を確認してみてください。

遺品整理と並行して動くときに気をつけたいこと

落ち着いて手続きを進める女性

遺品整理全体の流れを止める必要はありませんが、株式・投資信託などの有価証券は「処分前に相続手続きを済ませる」ことが原則です。遺品の中の書類は、証券口座の存在を示す唯一の証拠になることもあるため、関連書類は一まとめにして大切に保管しておいてください。

遺品整理の費用については、部屋の間取りや物量によって異なります。業者に依頼する場合の目安として、1K・1DKであれば約3万〜10万円程度、2LDK〜3DKであれば約12万〜40万円程度が一つの参考になりますが、実際の金額は搬出条件や処分品の内容によって変わります。複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。

また、遺品として出る不用品は一般廃棄物にあたり、その収集運搬には一般廃棄物収集運搬業許可(市区町村が発行)が必要です。産業廃棄物収集運搬業許可では代替できませんので、業者選びの際は許可の種類を確認してください。遺品の買取を行う業者には古物商許可も必要です。

株式・投資信託の相続手続きは、遺品整理の作業と時期が重なりやすい分、後回しになりがちです。書類の整理と並行して、早い段階で専門家に相談の場を持つことが、後になって慌てずに済む一つの方法です。

この記事を書いた人

遺品整理サポートナビ編集部

遺品整理サポートナビ編集部

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談・税務相談・個別の専門的な助言に代わるものではありません。具体的な状況については、弁護士・税理士・司法書士・遺品整理業者などの専門家にご確認ください。

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