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名義が親のままでも、すぐには困らない。でも時間が経つほど複雑になる

相続登記が義務化されたのは2024年4月のことです。ただし、義務化されたからといって、すぐに罰則が来るわけではありません。そのため「そのうち何とかしよう」と先延ばしにしているご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし実家の名義が親のままで放置すると、時間が経つほど問題は複雑になります。特に懸念されるのが、相続人の数が増え続けることです。
具体的に想像してみてください。祖父名義の実家があり、その子ども(親)が亡くなり、孫世代に相続が進むとどうなるか。関係者は15人を超えることもあります。その全員の同意がなければ、売却も解体もできなくなるのです。
困るのは「いつか将来」ではなく、売却・リフォーム・解体など実際に動かそうとした瞬間に壁にぶつかるという現実です。
住まいをどうするかは、遺品整理の進め方にも関わります。売却を選択肢に入れるなら、先に価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。
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実家の名義が親のままだと、売ることも貸すこともできない

不動産の売却や賃貸借契約には、名義人(所有者)の同意が絶対に必要です。親が亡くなって名義がそのままの状態では、原則として売却や賃貸の手続きは進みません。
「名義変更をしなくても何とか売れるのではないか」と考える方もいますが、これは誤解です。買い手側も売り手側の銀行も、名義変更(相続登記)が完了していることを売却の大前提としています。
さらに相続人が複数いる場合、全員の同意を得るために遺産分割協議をする必要があります。兄弟姉妹との意見が割れると、協議は膠着状態に陥り、何年も動かない状態が続くこともあります。
つまり、名義が親のままというのは、その不動産を自由に処分できない状態が固定化されるということなのです。
遺品整理を始める前に確認しておきたいこと―相続放棄との関係

親が亡くなった後、すぐに遺品整理を始めたいというお気持ちは自然です。ただし、ここで気をつけなければならない大切なポイントがあります。
遺品に手をつけること、つまり財産を処分する行為が「法定単純承認」とみなされ、その後は相続放棄ができなくなる場合があります。これは誤解しやすい重要な点です。
親が借金を残していないか、税務上の問題がないかなどが不明な段階では、相続放棄という選択肢を保留しておく必要があるかもしれません。その判断ができる期間が、知った日から3ヶ月(民法915条)の熟慮期間です。この期間内に家庭裁判所へ申立てをすれば、期間を伸長することもできます。
ただし「日常生活に必要な品の片付け」と「財産処分」の線引きは難しいものです。判断に迷う場合は、遺品整理に着手する前に弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。
固定資産税は名義にかかわらず、相続した日から責任が生じる

「親の名義のままだから、税金も親の世代で済んでいるはず」と思い込んでいる方も少なくありません。これは大きな誤解です。
固定資産税の賦課期日は毎年1月1日です。親が亡くなった時点で、その不動産の所有権は相続人に移ります。したがって名義変更が済んでいなくても、相続人が納税義務を負うことになります。
相続後に空き家を放置し、毎年固定資産税だけを払い続けるという状況に陥る方も多くいます。これは経済的な負担であるだけでなく、実家の適切な管理を放棄している状態でもあります。
名義が親のままというのは、実は税金の問題でも直結しているのです。
「空き家の3,000万円控除」を使えるかどうかは要件次第

親が住んでいた実家を売却する場合、一定の要件を満たせば被相続人居住用財産の譲渡特例(空き家控除)によって最大3,000万円の控除を受けられる可能性があります。ただし、これは要件が厳しく、また名義変更のタイミングと密接に関係しています。
主な要件は以下の3点です。①昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること、②譲渡対価が1億円以下であること、③相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
重要な注意点として、2026年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額が1人あたり2,000万円に縮小されることが決まっています。これにより、相続人が多いほど控除額が減る可能性が出てきました。
要件は他にもあり、名義変更・売却タイミング・遺産分割協議の状況とセットで判断が必要です。最新情報は税理士や税務署にご確認ください。
相続登記の義務化で「ほったらかし」はリスクになった

2024年4月1日、相続登記が義務化されました。不動産の所有権を相続したことを知った日から3年以内に、法務局に申請する義務が生じたのです。
正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料対象となります。また、この義務は施行日以前の相続にもさかのぼって適用されており、その場合の期限は2027年3月31日までとなっています。遺産分割協議が成立した場合は、その成立日から3年以内が期限です。
相続登記の義務化により、「いずれ何とかしよう」という先延ばしが法的なリスクに変わったのです。名義が親のままという状態は、もはや「いつかやろう」では許されない段階に入りました。
遺品整理を業者に依頼するなら、許可の確認も忘れずに

実家の整理を業者に依頼する場合、相続手続きと並行して進めることが多いでしょう。その際に気をつけたいのが、業者の許可資格です。
遺品として家庭から出される不用品は一般廃棄物に分類されます。これを運搬するには、市区町村が発行する一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。都道府県が発行する産業廃棄物収集運搬業許可では代替できません。
また、遺品の中に買い取れるものがある場合、その業者には古物商許可が必要です。さらに「遺品整理士」という資格がありますが、これは一般財団法人遺品整理士認定協会が発行する民間資格であり、国家資格でも営業許可でもなく、無資格でも遺品整理業は営業可能です。
相続手続きと並行して遺品整理を進める際は、その処分方法が相続放棄に影響を与えないか、処分前に専門家へ確認することが安心です。許可の確認と合わせて、弁護士や司法書士に相談されることをお勧めします。
売却も考えている場合は、複数社の査定を比べてから決める方法もあります。
持ち家売却
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談・税務相談・個別の専門的な助言に代わるものではありません。具体的な状況については、弁護士・税理士・司法書士・遺品整理業者などの専門家にご確認ください。



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