※本記事はプロモーションを含みます。
遺品整理と相続は、切り離して考えられない

親を亡くして間もない時期、故人の部屋や家の片付けを急ぎたいというお気持ちはよく理解できます。ですが、遺品整理と相続の手続きは別々のものではなく、実は密接に結びついているのです。
遺品というのは、故人が残した財産そのものです。現金や預金、貴金属、不動産だけが相続の対象ではなく、遺された日用品であっても、故人のものである限りは法律上、相続財産に含まれる可能性があります。
相続人が複数いる場合、一人の判断で遺品を処分したり売却したりすることは、後々大きなトラブルを招く原因になります。他の相続人から見れば「勝手に財産を処分された」と感じられてしまうからです。
遺品整理を進める前に、相続人全員で相続財産の全体像を把握し、その分け方について話し合う(遺産分割協議)ステップが非常に大切です。
住まいをどうするかは、遺品整理の進め方にも関わります。売却を選択肢に入れるなら、先に価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。
\不動産会社への一括査定依頼なら【持ち家売却】/
![]()
相続人が複数いる場合、遺品整理は「誰が」「どの段階で」始めていいのか

相続人が複数いる場合、遺産分割協議が終わる前に、独断で遺品を処分することはお勧めできません。特に気をつけたいのは、財産性のある遺品です。
具体例を挙げましょう。故人の部屋から500万円の預金通帳と、フルセットの金の装飾品が見つかったとします。「遺品だから整理しよう」と一人の相続人が売却してしまえば、他の相続人に等分に分ける機会が失われます。あるいは故人が集めていた骨董品やアンティーク家具が実は高い評価額を持っていた場合、それを「不要な古いもの」と判断して廃棄してしまえば、相続人間での不信感は取り戻せません。
「とりあえず捨てる」という判断が、後から取り返しのつかない事態を招く可能性があることを認識しておく必要があります。
相続人全員で合意するまでは、故人の部屋や家の中のものに手をつけずに保管しておくのが、トラブルを防ぐ基本的な考え方です。
知っておきたい:遺品に手をつけると相続放棄できなくなる場合がある

さらに重要な注意点があります。故人の遺品に対して、一定の処分行為をした場合、相続放棄ができなくなる可能性があるということです。
民法では、相続人が相続財産を処分したり売却したりすると、法律上「相続を受け入れた」と見なされます。これを単純承認と呼びます。一度この状態になると、相続放棄の権利は失われてしまいます。
相続放棄できるかどうかの判断期限は、自分が相続の開始があったことを知った時から3ヶ月(民法915条)です。この間に故人の負債が発覚したとしても、期限を過ぎてからは放棄が認められなくなる可能性があります。
遺品を整理する際に金銭を勝手に使ったり、預金を引き出したり、貴金属を売却したりという行為が単純承認に該当するため、遺品整理の前にこの期間と相続放棄という選択肢の存在を認識しておくことが大切です。
「不要に見える遺品」であっても、整理前に相続人全員で確認し、その扱いについて相談することは、実は相続トラブルを防ぐだけでなく、相続放棄という選択肢を将来的に失わないためにも必要な手順なのです。
遺産分割協議と遺品整理、どちらを先に進めるべきか

原則としては、遺産分割協議を終えてから遺品整理に着手することが望ましいステップです。相続人全員で相続財産をどのように分けるかを決めてしまえば、その後の整理・処分は計画的に進められます。
ただし現実には、賃貸住宅の退去期限が迫っている、あるいは故人が住んでいた家の管理費がかかり続けるなど、待てない事情が生じることもあります。そうした場合は、相続人全員の合意を得た上で、先行して遺品整理に着手することは可能です。その際は、処分する遺品について相続人全員で共有できる記録(写真やリスト)を残しておくと、後々のトラブル予防になります。
遺産分割協議書の作成方法や遺産の評価方法については、相続に詳しい司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。相談先の確保は、相続人全員が納得できる整理を進める第一歩になります。
複数の相続人で遺品整理を進めるときの実際の手順

相続人が複数いる場合の遺品整理は、以下のような流れで進めるのが一般的です。
①相続人全員の確定(必要に応じて戸籍を調べます)→②故人の遺品全体を仕分けし、リスト化する→③相続人全員で遺産分割協議を行う→④協議の結果に基づいて処分や整理を実行する、という順序です。
重要なのは、第②段階が「処分」ではなく「把握」であるという点です。相続人全員で故人の遺品がどのようなものがあるのかを確認し、写真を撮ったり、簡単なリスト(品目、数量、状態など)を作成したりすることが、相続人間の信頼と後々の説明責任につながります。
遺品が多い場合や、相続人が遠方に住んでいるなど対面での確認が難しい場合は、業者に依頼することも一つの方法です。1Kから1DLKの住居の整理で約3万〜10万円程度、2LDK〜3DKで約12万〜40万円程度(作業員3〜7名、作業時間4〜10時間程度)が目安とされています。一戸建てなど大きな物件の場合は約15万〜50万円程度(作業員4〜8名)を見込んでおくと良いでしょう。
ただし業者による費用は物量や搬出条件、処分品の種類によって大きく変わります。複数の業者から見積もりを取り、相続人全員で比較することをお勧めします。
業者に依頼する前に確認したい、許可証と資格の話

遺品整理を業者に依頼する際、業者の信頼性を見極めることは重要です。まず確認してほしい点は、その業者が適切な許可を持っているかどうかです。
遺品整理業者が故人の遺品を運び出し、廃棄物処理場に搬入するには、一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。この許可は市区町村が発行するもので、都道府県が発行する産業廃棄物収集運搬業許可では代替できません。業者のウェブサイトや営業資料に許可の有無が明示されていない場合は、事前に必ず確認しましょう。
また、遺品の中に買い取れるものがある場合、買取を行う業者には古物商許可(管轄の警察署に申請)が法律で定められています。
一方、「遺品整理士」という資格を持っていることを表示している業者もいますが、遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会が発行する民間資格であり、国家資格でもなければ営業許可でもありません。無資格でも遺品整理業の営業は可能ですので、資格の有無だけで信頼性を判断するべきではありません。むしろ一般廃棄物許可と古物商許可という法的に定められた許可の有無を、業者選びの最重要ポイントとして確認してください。
相続登記と空き家の問題も、早めに把握しておく

遺品整理と並行して、相続に関する法的な手続きも忘れずに進める必要があります。不動産(土地や建物)を相続した場合、相続登記が義務化されていることをご存じでしょうか。
2026年4月1日に施行される法律により、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務が生じました。期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。既に相続が発生している場合も対象になり、その場合の期限は2027年3月31日です。最新情報は法務省の公式情報でご確認ください。
また、相続した建物を空き家のまま放置することも避けたいところです。固定資産税は毎年1月1日時点での所有者に課税されるため、空き家であってもその税負担は続きます。
加えて、特定の条件を満たす場合、空き家を売却した際に3,000万円の特別控除が受けられる制度があります。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築された建物であること、譲渡対価が1億円以下であること、相続開始後3年以内に売却することです。ただし相続人が3人以上の場合、2026年1月1日以降の譲渡では控除額が1人あたり2,000万円に縮小されます。この制度の詳細な要件は他にも多くあるため、売却を検討される場合は必ず税務署や税理士にご相談ください。
遺品整理は相続財産の把握から始まり、相続登記や税務処理まで、複数のステップが関連しています。相続人全員で方針を合わせ、必要に応じて専門家のサポートを受けながら進めることが、後悔のない相続を実現するための道筋になります。
売却も考えている場合は、複数社の査定を比べてから決める方法もあります。
持ち家売却
![]()
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談・税務相談・個別の専門的な助言に代わるものではありません。具体的な状況については、弁護士・税理士・司法書士・遺品整理業者などの専門家にご確認ください。



コメント