突然の孤独死、遺品整理で気をつけたいこと

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発見の知らせを受けたとき、まず感じるのは混乱かもしれません

突然の知らせに途方に暮れる女性

「亡くなっているのが発見されました」という連絡は、多くの場合、突然やってきます。警察や管理会社からの電話で状況を告げられ、気持ちが追いつかないまま動かなければならない——そういう方が、決して少なくありません。

しかも、孤独死の場合は発見までに時間がかかることも多く、通常の死後とは異なる対応が必要になる場面もあります。「何から手をつければいいのか」と途方に暮れるのは、ごく自然なことです。

この記事では、孤独死の後に遺族が直面しやすい状況を整理し、どう動けばよいかを順を追って考えていきます。正解はひとつではありませんし、あなたのペースで確認してもらえれば十分です。

遺品整理の前に「特殊清掃」が必要な場合があります

防護服を着て作業する特殊清掃の専門家

孤独死の現場では、発見が遅れるほど室内の汚染が進みます。このような状況では、通常の掃除では対応できないため、特殊清掃と呼ばれる専門の作業が必要になります。

特殊清掃では、体液や腐敗物の除去・消毒・脱臭・害虫駆除などが行われます。作業には専用の薬剤や機器が使われ、専門の知識と技術が求められます。一般の清掃会社では対応できないケースがほとんどです。

遺品整理は、特殊清掃が完了して室内が安全な状態になってから行うのが原則です。遺族ご自身が発見直後に部屋へ入ろうとするケースもありますが、衛生上のリスクがあるため、まず専門業者に相談することをお勧めします。

やむを得ず室内に立ち入る場合は、使い捨て手袋・マスク・保護メガネの着用が必要です。また、換気のつもりで窓を開けると腐敗臭が近隣に広がるおそれがあるため、特殊清掃前の段階では窓の開閉も控えたほうが安心です。

遺品整理は「誰がやるか」を最初に確認しましょう

相続について家族で話し合う様子

遺品整理を行う義務は、原則として法定相続人に生じます。法定相続人とは、配偶者・子ども・孫・父母・祖父母・兄弟姉妹の順に定められた、法的に遺産を引き継ぐ権利を持つ方のことです。

相続人が複数いる場合は、誰が何を担当するかを事前に話し合っておくことが大切です。「勝手に処分した」「大事なものが捨てられた」といったトラブルは、遺品整理でよく起こります。事前の一言が、後々の関係を守ることにもつながります。

また、遺品の処分や不要品の扱いは、業者が独断で決めることはできません。親族間で内容を確認し、合意のうえで進めることが基本です。

相続放棄を検討している場合は、動く前に必ず確認を

弁護士に相続放棄について相談する人

故人に多くの借金があるなど、相続を放棄したいと考えている場合は、遺品整理の前に必ず弁護士や司法書士へご相談ください。

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(民法915条)に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。この期間は、家庭裁判所への申立てにより伸長することも可能です。ただし、具体的な期限や手続きについては、必ず専門家(弁護士・司法書士等)にご確認ください。

ここで注意が必要なのは、相続放棄をする前に遺産を使ってしまうと、放棄が認められなくなるおそれがあるという点です。特殊清掃の費用を故人の口座から支払う、遺品を形見として受け取る、といった行為も「相続財産の処分」と見なされることがあります。相続放棄を検討している場合は、公共料金の解約手続きも含め、動く前に専門家に確認するのが安全です。

賃貸住宅の場合は、管理会社・大家さんとの調整が必要です

管理会社と原状回復について話す遺族

故人が賃貸物件にお住まいだった場合は、遺品整理と同時に原状回復の問題が生じることがあります。孤独死で室内が汚損した場合、その復旧にかかる費用は状況によっては高額になることもあります。

原状回復の費用負担については、相続人と大家さんのあいだで話し合いが必要です。また、故人が孤独死(孤立死)保険や特約付きの家財保険に加入していた場合は、原状回復や遺品整理費用の一部が補償される可能性があります。契約書類や保険証券が残っていれば、保険会社への確認も忘れずに行いましょう。

すべての相続人が相続放棄をする場合は、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てる手続きが必要になります。その後は選任された清算人が遺品の管理・処分を引き継ぎます。この手続きも専門家への相談をお勧めします。

業者に依頼するときに確認しておきたいこと

遺品整理業者の見積書を確認する女性

遺品整理を業者に依頼する場合、信頼できる業者を選ぶことがとても大切です。特に孤独死の現場は、通常の遺品整理よりも作業内容が複雑になるため、業者の対応力を事前に確認しておく必要があります。

まず、遺品(ご家庭から出る不用品)は一般廃棄物として扱われます。その収集・運搬には、市区町村が発行する一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。都道府県が発行する産業廃棄物収集運搬業許可では代替できません。依頼前に、この許可の有無を確認しましょう。

遺品の買取を行うには、別途古物商許可(管轄警察署へ申請)が必要です。「買取もします」という業者が、古物商許可を持っているかどうかも確認のポイントです。

なお、業者の中には「遺品整理士」の資格を持つスタッフがいることをアピールするところもあります。遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会が発行する民間資格であり、国家資格でも営業許可でもありません。資格の有無よりも、許可証の有無や見積もりの透明性を重視して選ぶとよいでしょう。

見積もりは複数の業者から取ることをお勧めします。遺品整理の費用は物量・搬出条件・処分品の種類・買取の有無などで大きく変わります。あくまで目安として、間取り別の費用の目安は次のとおりです。

  • 1K・1DK:約3万〜10万円程度
  • 2LDK〜3DK:約12万〜40万円程度
  • 3LDK〜4DK:約15万〜50万円程度

実際の金額は現場の状況によって変わります。見積もりを取らずに進めてしまうと、後からトラブルになることもあるため、必ず書面で内容を確認してください。

遺品を手放すことへの罪悪感は、持たなくていい

遺品の写真を手にそっと見つめる女性

孤独死の現場で遺品整理をするとき、「もっと早く気づいてあげられたら」「もっと連絡を取っていたら」という後悔の気持ちが湧いてくることがあります。そのうえで、長年使ってきた品々を処分するという作業をしなければならない——それは、精神的にとても重いことです。

遺品を処分することは、故人への敬意を欠くことではありません。たとえば、古い家具や衣類のほとんどを手放したとしても、一枚の写真や一冊の手帳を手元に残すだけで、故人との記憶はしっかり心のなかに生き続けます。

「全部取っておかなければ」と思い詰める必要はありません。あなた自身が「これは残したい」と思ったものだけを残す。それで十分です。

孤独死の後の遺品整理では、遺族が心身ともに疲弊してしまうことも少なくありません。一人で抱え込まず、地域の社会福祉協議会や、厚生労働省が案内する「こころの健康相談統一ダイヤル」などに相談することも、選択肢のひとつです。話を聞いてもらうだけでも、気持ちが少し楽になることがあります。

一度にすべてを片づけようとしなくても大丈夫です。あなたのペースで、一歩ずつ前に進んでいただければそれで十分です。

この記事を書いた人

遺品整理サポートナビ編集部

遺品整理サポートナビ編集部

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