家族を亡くされた方へ|遺品整理の前に確認しておきたい相続の基本

相続との関係

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遺品整理と相続は、切り離して考えられない関係にある

故人の通帳や書類を確認する中年の女性の様子

親を失った直後、遺品を整理することはどうしても必要です。しかし、その整理作業が思わぬ形で相続の手続きに影響を与えることがあります。焦って遺品の処分を進めてしまうと、後から法的な問題が生じることもあるのです。

例えば、故人の部屋から預金通帳や株式の証券、あるいは借用書などが出てくることがあります。こうしたものは単なる遺品ではなく、相続財産を判断するための重要な手がかりになります。また、クレジットカードの督促状が見つかる場合もあります。

遺品を整理する前に、相続にどのような財産や負債があるのかを一度冷静に把握しておくことで、あとで困難な判断を迫られるのを避けることができます。遺品整理と相続手続きは、互いに影響し合う関係にあるということを、まず認識しておくことが大切です。

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まず把握したいのは「プラスの財産」と「マイナスの財産」の両方

預金通帳と金銭に関する書類を丁寧に確認している大人

相続では、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も承継します。預貯金や不動産、株式といったプラスの側面だけに注目して遺品整理を進めると、思わぬ借金を後から発見することになりかねません。

遺品整理中に借用書や金融機関からの督促状、医療費の請求書などが出てくることは珍しくありません。こうしたマイナスの財産を見落とすと、後々トラブルの原因になる可能性があります。

整理を始める前に、大まかでもよいので家計簿や通帳、契約書などから故人の財産状況を把握しておくことをお勧めします。これを「財産目録」と呼びますが、特別に複雑な形式にする必要はなく、手書きのメモでも構いません。預貯金がいくらあるか、不動産は何件あるか、借金がないか、という基本的な内容を書き出してみてください。

この作業は数時間で済む場合も多いですし、情報が不足していても構いません。重要なのは、遺品整理に着手する前に「今、どのような財産が故人の名義にあるのか」という全体像を、ざっくりでも掴む習慣をつけることです。

「遺品に手をつけると相続放棄できなくなる」は本当か

相続に関する書類を真摯に検討している中年男性

遺品整理をすると相続放棄ができなくなるという話を聞いたことがあるかもしれません。これは完全な誤解ではありませんが、実際にはより複雑です。

相続には熟慮期間という制度があります。法務省の情報によれば、自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、相続を受け入れるか放棄するかを家庭裁判所に申し立てることができます。この期間を大きく超えてしまうと、選択肢が限定される場合があります。

では、この3ヶ月の間に遺品に手をつけると、必ず相続放棄ができなくなるのでしょうか。実は、形見分けや日常生活に必要な家財の片付けであれば、それだけを理由に相続放棄が認められなくなることは通常ありません。しかし、相続財産を処分したり、借金をそのまま放置して相続を認めるような行動を取ると、法的に「相続を承認した」と判断される可能性があります。

迷うようなケース、あるいは借金が含まれている可能性がある場合には、相続放棄を視野に入れ、遺品整理より先に弁護士や司法書士に相談することが無難です。法律的な判断があった上で、安心して次のステップに進むことができます。

相続税がかかるかどうか、早めに確認しておく

自筆遺言書を慎重に扱う様子

遺品整理を進める際に気になるのが、相続税の問題です。実は、すべての相続に相続税がかかるわけではありません。

相続税には基礎控除があります。基礎控除額は3,000万円に、600万円×法定相続人の数を加えた金額です。例えば、法定相続人が配偶者と子ども1人(合計2人)の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×2=4,200万円になります。この金額以下なら、原則として相続税申告の必要がありません。

ただし、基礎控除の金額を超えるかどうかの判断には、相続財産の評価が必要になります。不動産の評価、株式の評価、預貯金、生命保険金など、それぞれ決まった計算方法があります。

相続財産の合計が基礎控除額を超えるかどうか迷う場合は、税理士に相談して正確に計算してもらうことをお勧めします。最新情報は専門家(税理士・弁護士・司法書士等)にご確認ください。早めに確認することで、その後の遺品整理の進め方も判断しやすくなります。

遺品の中に「遺言書」が見つかったときの対応

相続について話し合う家族の風景

遺品整理の中で、もしも遺言書を見つけたら、まずは落ち着いて対応してください。その対応次第で、相続手続きが大きく変わることもあります。

遺言書には大きく分けて2種類あります。公正証書遺言と、故人が自分で書いた自筆証書遺言です。自筆証書遺言を見つけた場合、絶対にしてはいけないことがあります。それは勝手に開封してしまうことです。

自筆証書遺言が見つかった場合、原則として家庭裁判所の検認を受ける必要があります。これは、遺言書の真正性と内容を確認する公式な手続きです。検認を受けずに開封してしまうと、その遺言書が法的に無効になるリスクがあります。見つけたら、そのままの状態で弁護士や司法書士に相談してください。

ちなみに、法務省の自筆証書遺言書保管制度に預けられている遺言書なら、検認が不要になります。故人が生前にそのような制度を利用していないか、事前に確認しておくのも一つの方法です。

遺言書の存在が相続財産の分割方針を大きく変える可能性があるため、本格的な遺品整理に着手する前に遺言書がないかどうか探しておくことが理想的です。

相続人どうしで「誰が何をいつ処分するか」を確認してから始める

遺産分割について真摯に相談する複数の相続人

相続人が複数いる場合、遺品整理の進め方をめぐってトラブルが起きることもあります。一人が勝手に判断して処分を進めてしまうと、後から別の相続人から反発を受けることもあり得ます。

特に注意が必要なのは、高価な遺品です。故人の愛用していた美術品や宝飾品、あるいは売却できそうな家財などは、相続人全員の了承を得ずに処分や売却をすると、大きなトラブルの原因になりかねません。

理想的な流れは、まず相続人どうしで話し合い、誰がどの遺品を引き継ぐのか、あるいは売却して現金化して分割するのか、といった基本方針を決めることです。その上で、合意した範囲から少しずつ遺品整理を進める、という進め方です。

遺産分割協議(相続人どうしの話し合い)が整う前に、故人の金銭的価値のある遺品を処分するのは避けた方が無難です。遺産分割の方針が固まってから、具体的な片付けや処分に着手する。この順序を守ることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

業者に依頼するときも、相続の状況を伝えておくと安心

税理士と相談する故人の遺族

遺品整理業者に依頼する場合は、事前に相続の状況を簡単に伝えておくとよいでしょう。相続放棄を検討中か、複数の相続人がいるか、遺産分割の合意が済んでいるかなど、基本的な情報があれば、業者側も適切に対応しやすくなります。

また、遺品整理業者の中には遺品の買取サービスを行うところもあります。もしも業者が遺品を買い取る場合、その業者は古物商許可を警察署から取得していなくてはいけません。見積もりや問い合わせの際に、その確認をしておくことも大切です。

遺品整理業者を選ぶ際には、単に費用の安さだけではなく、複数の業者から見積もりを取り、丁寧に説明してくれるかどうか、相続に関する基本的な配慮ができているかどうかで判断することをお勧めします。

親を亡くされた直後は、心身ともに余裕がない時期です。判断が難しい点や、相続の手続きについて不安な点があれば、税理士・弁護士・司法書士などの専門家に相談する選択肢を持っておくことで、心の負担を軽くすることができます。

この記事を書いた人

遺品整理サポートナビ編集部

遺品整理サポートナビ編集部

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談・税務相談・個別の専門的な助言に代わるものではありません。具体的な状況については、弁護士・税理士・司法書士・遺品整理業者などの専門家にご確認ください。

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